落合さんが『淡交』に連載するらしい

土曜から雨、晴れ、雨、晴れ、と交互にきましたね。早くも冬へ向かう雰囲気を醸す令和ちゃんだなぁ。

今朝は東山に雲が掛かっていてきれいでした。

 

さて、Twitterで知って興奮したんですが、落合陽一さんが裏千家の茶道月刊誌『淡交』に連載を持たれるとのこと!

裏千家の茶をかじって茶道学園に通っていた&落合ファンの私としては歓喜せずにはいられません。

落合さんは以前から茶道をはじめとした日本のトラディショナルな文化に対して興味と理解の感じられる発言が多かったし、割と初期のご著書『デジタルネイチャー』の副題が「生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂」だったりするし、

去年のWeekly Ochiaiでは屋形船で芸者さんと対談したり「禅・マインドフルネスを考える」の会では禅僧のお二人を交えて議論したりと、

コロナ前までのトピックは特に、日本の古典文化を現代の感覚やデジタル側から捉えなおすもので落合さんの言葉で言うとそうなるのか〜ととても面白かった。

日本らしい、日本らしく、クールジャパン!なんて言われるし安易に言ってしまうけど、日本ってどういう国なの??? オリンピックを翌年に控えた2019年当時の時代感をよく捉えていたと思う。

 

どんな連載になるのか今から楽しみなんだけど、まず淡交社が落合さんを取り上げること自体すごく嬉しい。裏千家にも新しい風が吹いてきたのかなと。

 

落合さんは『日本再興戦略』で「脱近代」をキーワードに語っていて、これは経済の話だけど、今の茶道のイメージは大体近代に形作られたものだし、大きな流れでは共通するものがあるんじゃないかな〜

今の茶道の(少なくとも裏千家の)主流派は、流派という大きな組織に属して、大人数の客を一席につめて茶を振る舞う大寄せ茶会をする、規律を重んじる修行的な「道」の茶。

もちろん個人で異彩を放って活躍している茶人さんや、クローズドなコミュニティをつくって内輪で楽しんでいる人たちもいるし、最近特に増えてきているけれど、それでもマジョリティにはなれていない。

流派ができたのは近代以前だけれど、裏千家では大正〜昭和を生きた淡々斎の時代に、各地にバラバラにあった会をまとめて宗家直轄の淡交会が発足して、現在では国内に165支部2支所、海外に111ヶ所の出張所・教会がある。

大寄せ茶会は近代数寄者の代表格、益田鈍翁三井財閥を支えた実業家 益田孝)が、狩野探幽旧蔵の「弘法大師座右銘十六字一巻」の入手を契機に始めた大師会が(大寄せ茶会の)先駆けといわれていて、関西も負けじと盛り上げようと古美術商が中心となって光悦会を発足し、東の大師会・西の光悦会といわれている。

点前の修練をはじめとした茶道の修行的な側面が強く出ているのも実は近代以降らしい。

平和な江戸時代は特に遊び要素が強かったのだけど、明治維新によって「国家に益なき「遊芸」」と位置付けられて茶の湯の価値が担保されなくなってしまった。そこで当時の裏千家中興の祖といわれる玄々斎は、茶の湯は単なる遊芸ではない!との反論を政府に提出したそう。(『茶道の源意』)そこから淡々斎ごろに花嫁修行の一つとしての茶道が広まったりで、茶道の遊び要素はどんどん減っていったのではないかと思う。

 

コロナ禍で、濃茶の飲み回しや大寄せ茶会、大人数での稽古もできない状態の今、茶道だけでなく菓子や茶、茶道具など周辺の業界も打撃を受けているけれど、そんな茶道の世界を落合さんはどんな風に見るのかなぁ

 

『淡交』は茶道界の人が読む雑誌だし、どういうテイストになるのかとても気になるところ〜〜!